施設形態別の看護師の給料比較|病院・クリニック・訪問看護・介護施設・美容の年収傾向
看護師の給料は病院・クリニック・訪問看護・介護施設・美容クリニックでどう違う?看護リーチ掲載求人の施設形態別平均月給の表と、それぞれの年収の傾向、給与体系の特徴、自分に合う施設の選び方を解説します。
「病院からクリニックに移ると給料はどれくらい下がるのか」「訪問看護や美容は本当に給料がいいのか」。転職先の施設形態を考えるとき、給料の違いは気になるポイントです。看護師の給料は、同じ経験年数でも施設の種類によって年収で50万〜100万円以上の差が出ることがあり、その差は「基本給・夜勤手当・賞与」のどこに由来するかが施設ごとに違います。この記事では、看護リーチ掲載求人のデータをもとに施設形態別の平均月給を一覧にし、それぞれの給与体系の特徴と、自分に合う施設の選び方を整理しました。
施設形態別の看護師の平均月給一覧
看護リーチ掲載求人の統計(2026年11月8日時点)をもとに、施設形態ごとの平均月給と求人数をまとめました。求人票の月給には夜勤手当を含む想定額として記載されているものが多いため、夜勤のない施設は月給がやや低く見える点に注意してください。
| 施設形態 | 求人数 | 平均月給 | 中央値 | 求人を見る |
|---|---|---|---|---|
| 一般病院 | 6,955件 | 25.3万円 | 24万円 | 一般病院の求人 |
| 大学病院 | 38件 | 24.4万円 | 24.2万円 | 大学病院の求人 |
| 療養型病院 | 560件 | 25.1万円 | 24万円 | 療養型病院の求人 |
| クリニック | 3,560件 | 26万円 | 25万円 | クリニックの求人 |
| 介護施設 | 2,687件 | 26.6万円 | 25.5万円 | 介護施設の求人 |
| 健診センター | 65件 | 23.3万円 | 23.5万円 | 健診センターの求人 |
| 訪問看護 | 9,541件 | 31.1万円 | 30万円 | 訪問看護の求人 |
| 保育園・学校 | 3,798件 | 25.6万円 | 24.5万円 | 保育園・学校の求人 |
| 企業 | 175件 | 29.4万円 | 27.5万円 | 企業の求人 |
| 特別養護老人ホーム | 2,815件 | 23.6万円 | 22.9万円 | 特別養護老人ホームの求人 |
| 介護老人保健施設 | 4,442件 | 24.4万円 | 23.5万円 | 介護老人保健施設の求人 |
| 有料老人ホーム | 5,247件 | 29.6万円 | 29.1万円 | 有料老人ホームの求人 |
| デイサービス・デイケア | 5,012件 | 25万円 | 24.2万円 | デイサービス・デイケアの求人 |
| グループホーム | 891件 | 28.1万円 | 29万円 | グループホームの求人 |
| サ高住 | 44件 | 25.6万円 | 25万円 | サ高住の求人 |
| 障がい者施設 | 478件 | 27.4万円 | 29.9万円 | 障がい者施設の求人 |
| 美容クリニック | 373件 | 29.4万円 | 30万円 | 美容クリニックの求人 |
※看護リーチ掲載求人のうち月給が明記されたものの集計(2026-11-08時点)。賞与・手当は含みません。
全体の平均月給は約26.2万円万円、中央値は約25.4万円万円です(掲載求人数 47,779件)。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」による看護師の平均月給が約35万円前後であることと照らし合わせると、病院系は平均前後、クリニックや介護施設は平均よりやや低め、美容や訪問看護は日勤のみながら平均に近い水準、という傾向が読み取れます。
病院(一般病院・大学病院・精神科・療養型)の給料
一般病院(急性期)
夜勤手当が高めに設定され、若手のうちから年収が上がりやすいのが特徴です。年収の目安は450万〜550万円前後で、夜勤回数によって幅があります。民間病院は経営状況で賞与が変動する一方、公的病院は安定しています。
大学病院
基本給と賞与が安定し、昇給テーブルも明確です。年収は450万〜550万円前後で、若手のうちは民間急性期より低く見えることもありますが、勤続とともに逆転しやすい構造です。教育体制が整っており、専門資格の取得支援も充実しています。
精神科病院
急性期に比べて身体的な処置は少なく、夜勤手当はやや控えめな施設が多いものの、夜勤回数が確保しやすいため年収は一般病院と大きく変わらない傾向です。年収の目安は420万〜520万円前後です。
療養型病院
慢性期の患者さんが中心で、夜勤の負担は比較的軽め。年収は400万〜480万円前後で、急性期より少し低くなる傾向ですが、残業が少なく働き方は安定しています。
病院以外の施設形態の給料(クリニック・訪問看護・介護施設・美容)
病院以外は夜勤がない、または少ない施設が中心のため、月給の見え方が変わります。それぞれの給与体系の特徴を確認しましょう。
クリニックの給料
クリニックは日勤のみ・夜勤なしが基本のため、月給は病院より低めで、年収の目安は350万〜450万円前後です。賞与は院長の裁量で決まることが多く、2〜3か月程度が一般的です。
一方で、透析クリニックや内視鏡クリニックなど専門性の高いクリニックは月給が高めに設定されており、日勤のみで病院並みの年収に届くこともあります。診療時間が夜まである場合は、遅番手当が付くかどうかも確認しましょう。
訪問看護ステーションの給料
訪問看護は、日勤のみの職場としては給与水準が高めで、年収の目安は400万〜520万円前後です。基本給が高めに設定されているうえ、オンコール手当(待機1回1,000〜3,000円、出動1回数千円が相場)が加わります。
事業所の規模や運営母体によって差が大きく、訪問件数に応じたインセンティブがある事業所では、経験者が年収550万円以上になるケースもあります。管理者になると年収600万円前後を提示する求人もあり、日勤で高年収を目指せる分野の一つです。
アドバイザーのひとこと 訪問看護の求人は「月給35万円」など高めの数字が並びますが、オンコール回数や訪問件数の前提が含まれていることがあります。相談を受けたときは「オンコールなしの場合の月給はいくらか」「1日の訪問件数は何件が標準か」を事業所に確認するようにしています。この2点で実際の働き方と収入が見えてきます。
介護施設の給料
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、デイサービス、グループホームなどの介護施設は、夜勤がない、または夜勤が少ない求人が中心です。年収の目安は350万〜450万円前後で、病院より低めの傾向ですが、施設によってはオンコール手当や看護主任の役職手当が付きます。
| 施設 | 年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 370万〜450万円 | 日勤中心、オンコールあり、看護主任の道 |
| 介護老人保健施設 | 380万〜470万円 | 夜勤がある施設もあり、病院に近い体系 |
| 有料老人ホーム | 370万〜460万円 | 運営会社で差が大きい、管理職登用あり |
| デイサービス | 330万〜420万円 | 日勤のみ・土日休みが多く、年収は控えめ |
| グループホーム・サ高住 | 340万〜430万円 | 少人数、パートやオンコール中心の施設も |
介護施設は看護師の人数が少ない分、判断を任される場面が多く、経験者は管理職に上がりやすい環境です。年収は病院より下がりやすいものの、「役職に就いて年収を維持する」道が比較的早く開けます。
美容クリニックの給料
美容クリニックは、日勤のみで高年収を提示する求人が多いのが特徴です。年収の目安は420万〜600万円前後で、固定給に加えて施術件数や物販に応じたインセンティブが付く給与体系が一般的です。
一方で、賞与が少ないか無い施設が多く、土日祝が出勤になること、接客やカウンセリングの比重が大きいこと、医療スキルが偏りやすいことは事前に理解しておく必要があります。固定給部分の水準を確認し、インセンティブが無くても生活できるかどうかで判断すると失敗が少なくなります。
施設形態別の給与体系の比較
| 施設形態 | 基本給 | 夜勤手当 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 一般病院 | 中 | 高 | 中〜高 | 450万〜550万円 |
| 大学病院 | 中 | 中 | 高 | 450万〜550万円 |
| 精神科病院 | 中 | 中 | 中 | 420万〜520万円 |
| 療養型病院 | 中 | 中 | 中 | 400万〜480万円 |
| クリニック | 中 | なし | 低〜中 | 350万〜450万円 |
| 訪問看護 | 高 | なし(オンコール) | 低〜中 | 400万〜520万円 |
| 介護施設 | 低〜中 | 低〜なし | 低〜中 | 350万〜450万円 |
| 美容クリニック | 中〜高 | なし | 低〜なし | 420万〜600万円 |
自分に合う施設形態の選び方
給料だけで施設を選ぶと、働き方や仕事内容とのミスマッチが起きやすくなります。次の3つの軸で考えると整理しやすいです。
- 夜勤ができるか:できるなら病院系、できないなら訪問看護・美容・専門クリニックが年収を保ちやすい
- 安定か上振れか:賞与と昇給で安定して伸びる大学病院・公的病院か、インセンティブで上振れを狙う美容・訪問看護か
- 5年後の姿:管理職を目指すなら介護施設や訪問看護、専門性を高めるなら急性期・大学病院
アドバイザーのひとこと 病院からクリニックへの転職で「年収が80万円下がった」というご相談は少なくありません。夜勤手当と賞与の差が想像以上に大きいためです。年収を維持したいなら、クリニックの中でも透析や内視鏡など専門性のあるところ、あるいは訪問看護を候補に入れると、日勤のまま下がり幅を抑えられます。
よくある質問
Q. 看護師の給料が一番高い施設形態はどこですか?
年収の上限で見ると美容クリニックや訪問看護の管理者クラスが高く、平均的な安定感では大学病院・公的病院が上位です。夜勤に入る前提なら民間の急性期病院が若手のうちは最も稼ぎやすい傾向です。
Q. 病院からクリニックに転職すると給料はどれくらい下がりますか?
夜勤手当と賞与の差で、一般的に年収で50万〜100万円程度下がることが多いです。ただし専門クリニックや遅番手当のあるクリニックでは、差を30万円程度に抑えられる場合もあります。
Q. 介護施設の看護師は給料が低いと聞きますが本当ですか?
病院と比べると平均は低めですが、施設によって差が大きく、オンコール手当や役職手当で病院並みの年収になる方もいます。看護師の人数が少ない分、管理職への登用が早い点はメリットです。
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