キャリア・働き方

訪問診療・在宅医療の看護師とは|訪問看護との違い・仕事内容・給料と求人の探し方

更新日:2026/09/08 読了目安:約7分 執筆:看護リーチ キャリアアドバイザー

訪問診療(在宅医療)で働く看護師の役割を、訪問看護との違いから整理。1日の仕事の流れ、求められる経験、給料の考え方、求人の探し方と確認ポイントをキャリアアドバイザーが解説。在宅分野で働きたい方の判断材料になります。

「在宅で働きたいけれど、訪問看護と訪問診療は何が違うのだろう」「医師と一緒に回る看護師の仕事内容がよく分からない」。在宅医療の需要が高まる中で、訪問診療クリニックの看護師求人は増えていますが、訪問看護と混同されやすく、仕事の実態が伝わりにくい領域です。この記事では、訪問診療の看護師の役割を訪問看護と比較しながら整理し、1日の流れ、求められる経験、給料の考え方、求人の探し方までをまとめました。

訪問診療と訪問看護の違い

まず用語を整理します。訪問診療は、医師が定期的に患者の自宅や施設を訪れて診療を行うものです。訪問看護は、看護師が単独で自宅を訪問し、医師の指示書に基づいて看護を提供するものです。看護師の立ち位置が大きく異なります。

項目訪問診療の看護師訪問看護師
所属在宅療養支援診療所・クリニック訪問看護ステーション
訪問の形医師に同行し、診療を補助看護師が単独で訪問
主な業務診療補助、処置、記録、家族対応、多職種との調整病状観察、医療処置、療養上の世話、リハビリ、家族支援
判断の主体医師がその場で判断看護師が観察して判断し、医師へ報告
1日の訪問件数医師の予定に沿って10件前後(地域による)4〜6件程度
移動診療車に同乗することが多い自転車や車で単独移動
夜間対応電話対応やオンコールがある場合もオンコール当番があることが多い

大きな違いは、「医師と一緒に動くか」「一人で訪問して判断するか」です。訪問看護は看護師としての自律性が高く、訪問診療はチームで診療を回す調整力が求められます。

訪問診療の看護師の仕事内容

訪問診療クリニックでの看護師の仕事は、診療の同行だけではありません。多くのクリニックでは、次の3つの役割を分担または兼任しています。

診療同行

医師と一緒に患者宅や施設を回り、バイタル測定、採血、点滴、褥瘡処置、カテーテル交換などを行います。診察の記録を入力し、次回の訪問までの注意点を家族やケアマネジャーに伝えることもあります。

診療の事前・事後の調整

訪問スケジュールの組み立て、必要な物品の準備、薬局や訪問看護ステーションへの指示書の送付、ケアマネジャーや施設との連絡調整など、診療をスムーズに回すための業務です。

電話対応・トリアージ

患者や家族、施設からの電話を受け、症状を聞き取って医師に報告し、往診が必要かどうかの判断を補助します。看取り期の患者が多いクリニックでは、夜間や休日の電話当番がある場合もあります。

看護師の人数が少ないクリニックほど、診療同行から調整までを一人で担うことになり、「看護師というより在宅医療のコーディネーター」に近い感覚で働く方も多いです。

アドバイザーのひとこと 訪問診療は、医師との距離がとても近い職場です。医師の考え方や診療スタイルとの相性が働きやすさを大きく左右するので、面接では必ず院長や同行する医師と直接話す機会を作ってもらってください。「看護師にどこまで任せたいか」を聞くと、その職場での役割が見えてきます。

訪問診療で求められる経験とスキル

  • 病棟や外来での基本的な看護技術: 採血、点滴、褥瘡処置、カテーテル管理など
  • 急変時の初期対応: 在宅では機器も人手も限られるため、落ち着いて優先順位をつける力
  • 終末期ケアの経験: 看取りを在宅で行う患者が多く、家族への説明や心理的支援が求められる
  • 調整力とコミュニケーション力: 医師、薬局、ケアマネジャー、訪問看護師、施設職員など多職種との連携が日常的
  • 記録と事務処理: 電子カルテや在宅診療に関する書類作成
  • 運転免許: 診療車を看護師が運転するクリニックもある

訪問看護の経験があると即戦力になりやすいですが、病棟経験だけでも受け入れているクリニックは多くあります。在宅ならではの感覚は、同行を重ねながら身につけていけます。

訪問診療の看護師の給料の考え方

訪問診療クリニックは日勤中心のため、病棟の夜勤ありと比べると年収は下がる傾向にあります。一方で、クリニックとしては在宅医療に注力する分、基本給を高めに設定している求人も見られます。給料の水準を左右するのは主に次の点です。

  • 電話当番やオンコールの有無と手当
  • 診療同行の件数や担当患者数(多いほど手当が付くクリニックもある)
  • 事務や調整業務の範囲(管理的な役割を担うと手当が付くことがある)
  • クリニックの規模と医師の人数(規模が大きいと給与体系が整っていることが多い)

参考として、看護リーチに掲載中の訪問診療の求人の平均月給は28.4万円万円です(2026年11月8日時点)。求人票では、基本給と各種手当を分けて確認し、オンコールがある場合はその手当と呼び出しの頻度も聞いておくと、実際の負担と収入の釣り合いが見えてきます。

訪問診療の求人の探し方と確認ポイント

訪問診療の求人は、「在宅療養支援診療所」「在宅クリニック」「訪問診療クリニック」といった名称で出ていることが多く、施設形態としてはクリニックに分類されます。担当業務で訪問診療を選んで絞り込むと効率的です。

応募前に確認したいのは次の点です。

  1. 看護師の人数と、診療同行・調整・電話対応の分担
  2. 1日の訪問件数と移動範囲、診療車の運転が必要かどうか
  3. 夜間・休日の電話当番やオンコールの有無、頻度、手当
  4. 看取りの件数と、終末期ケアの体制(家族支援の方針)
  5. 医師の人数と勤務体制(医師1人の場合は負担が集中しやすい)
  6. 訪問看護ステーションを併設しているか(併設なら業務が分かれていることが多い)

アドバイザーのひとこと 訪問診療のクリニックは近年増えており、開設したばかりのところも多いです。新しい職場は裁量が大きい反面、仕組みが整っていないことがあります。「開設から何年か」「看護師の定着状況」を聞いて、自分が仕組みづくりを楽しめるタイプかどうかで選ぶと後悔が少ないです。

よくある質問

Q. 訪問看護と訪問診療、どちらが自分に向いているか分かりません。

一人で判断し、患者と長く関わる看護がしたいなら訪問看護、医師と連携して診療を回す調整が得意なら訪問診療が向いています。どちらも在宅医療の一部で、訪問看護から訪問診療へ、あるいはその逆へ移る方もいます。

Q. 病棟経験しかなくても訪問診療で働けますか?

働けます。多くのクリニックは病棟経験3年程度を目安に採用しており、最初は先輩看護師と一緒に同行して仕事を覚えます。終末期ケアや急変対応の経験があると特に評価されます。

Q. 訪問診療の看護師に夜勤はありますか?

通常の夜勤はありません。ただし、夜間の電話当番やオンコールを設けているクリニックがあります。完全に夜間対応をなくしたい場合は、オンコールなしの求人か、電話対応を医師や専門のコールセンターが担う体制のクリニックを選んでください。

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タグ:訪問診療 訪問看護 在宅医療 日勤のみ 給料

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